高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 足部 高齢者の踵骨骨折に対して中空スクリューを用いた治療法
永山 正隆
1
,
松田 圭二
,
金 勝乾
,
前田 公一
,
池上 隆司
,
久保田 玲子
,
金子 晴香
,
野沢 雅彦
1順天堂大学医学部附属練馬病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨ねじ
,
骨折-関節内
,
踵骨骨折
,
手術時間
Keyword:
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Intra-Articular Fractures
,
Operative Time
pp.246-251
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055170
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高齢者の踵骨骨折15例16足について検討した。受傷時平均年齢は61.2歳で、70歳以上の高齢者は6例7足(受傷時平均75.4歳)あった。手術は、転位した骨片内に3.0mm Kirschner鋼線を1本刺入し、骨片を挙上することで後距骨下関節の整復を行った。整復位を保持しながらガイドピンを刺入し、更に径6.5mmの中空スクリューを挿入し、また更に遠位にもう1本スクリューを挿入して踵骨体部を固定し内固定を強化した。手術時間は平均35.5分であった。術後のX線評価にて、Boehler角は受傷時平均3.2°から術後21.2°と改善が認められた。CALCISスコアは平均7.5点から3.3点へと改善した。経過中にスクリューの沈下や破損は認めなかった。Creighton-Nebraska scaleによる臨床評価は、excellentが8足、goodが3足、fairが4足、poorが1足であった。70歳以上の高齢者はexcellentが6足、poorが1足であった。Fair以下の5足はSanders分類type IV症例が2足あった。また受傷~手術の経過が長かった症例が多く、術後の後距踵関節面の転位の大きいものが多かった。fair以下の例に腓骨筋腱炎によるものと思われる疼痛を1例認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007