骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その2)
手術支援・最新の取り組み コンピュータ支援・ナビゲーションシステムの活用 寛骨臼骨折に対する術中CTナビゲーションの使用経験
玉置 康之
1
,
百名 克文
,
田中 康之
,
川井 康嗣
,
打越 顕
,
光澤 定己
1日本赤十字社和歌山医療センター 整形外科
キーワード:
寛骨臼
,
内固定法
,
骨ねじ
,
術中期
,
X線CT
,
アーチファクト
,
骨折-粉砕
,
三次元イメージング
,
骨折-関節内
,
コンピュータ支援手術
,
手術時間
,
骨盤骨折
Keyword:
Acetabulum
,
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Intraoperative Period
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Artifacts
,
Fractures, Comminuted
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Surgery, Computer-Assisted
,
Intra-Articular Fractures
,
Operative Time
pp.86-89
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017257817
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CTナビゲーション(Vector VisionとARCADIS Orbic 3D)を用いて寛骨臼骨折手術を行った6例の成績を報告した。手術方法は全例、骨折部を展開・整復した後に骨鉗子やKirschner鋼線などで仮固定を行い、透視で整復位が得られていることを確認したのち、腸骨稜にリファレンスを設置してCT撮影を行った。CTで骨折部の整復状態を確認し、ポインターでスクリューの刺入点・挿入方向を確認しながらスクリュー挿入を行った。最後に2回目のCT撮影を行い、スクリューの設置状態を確認した。手術時間は平均342分(290~420分)、出血量は平均456ml(174~1062ml)であった。仮固定材料による金属アーチファクトの影響は少なく、整復状態やスクリュー設置状態の確認は可能であった。術後のX線学的評価では、Matta分類でanatomicalが2例(33%)、satisfactoryが2例(33%)、unsatisfactoryが2例(33%)であり、Step off(段差)は比較的少なかったが、gap(間隙)を残した症例が散見され、特に粉砕を伴った症例の整復は困難であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017