発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011338933
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59歳女。脚立から転落し、左膝および左下腿の著明な疼痛・腫脹を生じた。X線で左膝関節内骨折と左脛骨骨幹部骨折を認め、側面像では内側後顆の骨片が大きく陥没していた。また、内側軟部組織の腫脹が高度であった。CTでは内顆関節面に最大6mmの段差を認め、顆間隆起の剥離骨折と外顆の局所陥没骨折を合併していた。AO分類41-A1、B2、B3、42-A2の合併例と診断して手術を行い、まず骨幹部骨折に対し外側locking compression plate(LCP) proximal lateral tibia 9穴を架橋プレートとして用い内固定を行った。次いで、外側前方の骨皮質を開窓して髄腔内より後方骨片を打ち上げ、整復位を保持しつつ前方よりガイドピンで仮固定し、中空スクリュー(CCS)2本で骨折部に圧迫をかけて固定した。更に、CCSを支える目的で骨折していない内側やや前方にLCP-T型プレートを設置し、CCS直下にロッキングスクリューを挿入した。術翌日より可動域訓練を開始し、6週で仮骨を認め、6ヵ月時のCT MPRでは後顆骨片の整復位は保たれていた。術後1年7ヵ月の現在、骨癒合および可動域の改善を認め、Hohl&Luckの治療成績評価では解剖学的・機能的評価ともにexcellentである。
©Nankodo Co., Ltd., 2011