高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨顆部・顆上 高齢者に生じた大腿骨顆部・顆上骨折の治療成績
長浦 恭行
1
,
澤口 毅
,
増山 茂
1富山市立富山市民病院 整形外科・関節再建外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ネイル
,
骨ねじ
,
骨板
,
大腿骨骨折
,
人工器官機能不全
,
治療成績
,
膝関節置換術
,
手術時間
Keyword:
Bone Nails
,
Bone Plates
,
Bone Screws
,
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Prosthesis Failure
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Operative Time
pp.212-217
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055165
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観血治療を行った75歳以上の高齢者の大腿骨顆部・顆上骨折30例を対象に、治療成績について検討した。6例が人工膝関節全置換術(TKA)後の大腿骨顆上骨折であった。手術はプレート法22例、逆行性髄内釘7例、スクリューのみによる固定をtype Bの1例に行った。プレートはMay Plateが2例、Dynamic Condylar Screw(DCS)が11例、ロッキングプレートが9例であった。手術時間は平均102分で、DCS 92分、ロッキングプレート122分、逆行性髄内釘101分であった。術前後の輸血は13例(43%)に行った。Type AとCは、全例で骨癒合が得られ、Type Bの2例中Locking Compression Plate(LCP) T-plateによる固定を行った1例は骨癒合が得られ、スクリューのみによる固定の1例はスクリューの脱転が生じた。骨癒合までの期間は平均14.5±5.5週で、DCS 13.4±2.2週、ロッキングプレート13.8±4.5週、逆行性髄内釘14.6±2.8週であった。周術期の整形外科的合併症は、May Plate 2例のうち骨折の再転位が1例、スクリューの逸脱が1例に生じ、2例とも追加手術なく骨癒合が得られた。DCS 11例のうちプレートの脱転が1例、感染が1例に生じた。ロッキングプレート9例のうちプレート直上の皮膚壊死が1例に生じ、術後8週でプレートを抜去して創の治癒と骨癒合が得られた。逆行性髄内釘7例のうち外反変形が1例、横止めスクリューの逸脱が1例にみられた。スクリューのみで固定した1例は術後4週でスクリューの脱転が生じた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007