骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折(偽関節も含む) 手術的治療 胸腰椎移行部の骨粗鬆症性脊椎破裂骨折に対する局所麻酔下経皮的ハイドロキシアパタイト充填療法

著者らは骨粗鬆症性脊椎破裂骨折を受傷して2週以内に入院し、反張位または仰臥位安静後のCTで椎体内前方部に骨欠損が生じ、保存的治療では整復位の保持が困難と判断した24症例(平均年齢71歳)に対し、1997年以来、ハイドロキシアパタイト(HA)を充填してきたので、これを報告した。1)最近3年間では手術時間は30～40分に短縮され、手術による合併症はなかった。2)体動時腰痛は術翌日には軽減し、最終的に平均術後2週で全例が消失した。骨癒合は全例で得られた。3)椎体前方部は長期間ギブス固定を行なった保存的治療と同様にHA充填術でも有意に圧縮率は改善し、更に保存的治療では限界のあった椎体中央部でも椎体高の改善が得られた。4)脊柱管面積も漸次拡大したので、椎体圧潰が進行しやすい胸腰椎移行部の骨粗鬆症性脊椎破裂骨折には有効な治療法の一つと考えられた。