高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折(偽関節も含む) 手術的治療 新鮮脊椎圧迫骨折に大田棒で経皮的経椎弓根的整復後リン酸カルシウム骨ペーストを充填した椎体形成術 小児用膀胱バルーン使用の有無による比較
石黒 茂夫
1
,
飯田 浩次
,
大田 斌人
,
笠井 裕一
,
須藤 啓広
,
内田 淳正
1小山田記念温泉病院 整形外科
キーワード:
Calcium Phosphates
,
偽関節
,
外科用器具
,
骨粗鬆症
,
脊椎骨折
,
バルーン拡張法
,
骨代用物
,
骨折-圧迫
,
椎体形成術
Keyword:
Calcium Phosphates
,
Osteoporosis
,
Pseudarthrosis
,
Surgical Instruments
,
Spinal Fractures
,
Bone Substitutes
,
Fractures, Compression
,
Vertebroplasty
pp.97-102
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055150
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骨折部に不安定性を有する脊椎圧迫骨折新鮮症例43例45椎体に、独自に考案した大田棒で経皮的経椎弓的に整復固定後、リン酸カルシウムペースト(CPC)を充填する椎体形成術を施行した。また、2005年10月~2006年9月に施行した15椎体には、アメリカの後彎形成術の応用として、小児用膀胱バルーンで椎体骨折部内腔の止血と拡大を行なった後にCPCを充填した。その結果、1)大田棒を用いてCPCを注入する椎体形成術は、保存的治療群38椎体と比べて早期除痛の点で優れていた。2)バルーン使用群は非使用群と比べて、止血効果とCPCのより良好な充填が確認された。3)バルーン使用は海綿骨を周囲に圧着する効果によって椎体内が止血されるため、CPC充填まで低血圧コントロールは不要になると思われた。4)CPCの注入マントルの厚みもバルーン使用群の方が有意に優れており、バルーン使用によって術者の手技によらず、安定した量のCPCの注入を安全に行なえると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007