骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折(偽関節も含む) 手術的治療 骨粗鬆症性椎体骨折後遅発性障害に対する手術的治療 後方インストゥルメントを併用したハイドロキシアパタイトブロックによるkyphoplasty

著者らは手術治療を必要とした骨粗鬆症性椎体圧迫骨折後遅発性障害に対し、比較的低侵襲と思われる後方インストゥルメントを併用し、更にハイドロキシアパタイトブロック(HAブロック)によるkyphoplastyを施行した。そこで、この手術適応ならびに手術法、治療成績について報告した。1)HAブロックが他のマテリアルと違う優位性は、肺塞栓がない、椎体後壁損傷があっても脊柱管内漏出がない、充填を繰返すことで椎体整復(後彎矯正、椎体高の再獲得)が可能といったことである。特に後彎矯正が可能なことは、インストゥルメントの脱転や背部痛の残存といった点で有利であった。2)本手術の適応として圧迫型や軽度の偽関節では、椎体内にHAブロックを充填することで椎体高が増大し、後彎矯正や椎体後壁の矯正が行なえると考えられた。3)本法を施行した28症例(平均年齢74.2歳)では、全例で疼痛の改善がみられ、特に術後の創部痛が軽く、重度の麻痺のない場合、術後2日以内に立位可能であった。