高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折(偽関節も含む) 手術的治療 骨粗鬆症性椎体偽関節に対するポリメチルメタクリレートによる経皮的椎体形成術 スクリューの併用と術後体幹ギプスの有用性
米澤 嘉朗
1
,
末吉 泰信
1整形外科米澤病院
キーワード:
偽関節
,
骨粗鬆症
,
骨ねじ
,
脊椎骨折
,
Polymethyl Methacrylate
,
体幹装具
,
椎体形成術
Keyword:
Bone Screws
,
Osteoporosis
,
Pseudarthrosis
,
Spinal Fractures
,
Polymethyl Methacrylate
,
Vertebroplasty
pp.90-96
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055149
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骨粗鬆症性椎体偽関節20症例(平均年齢79.4歳)を対象に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)による経皮的椎体形成術を施行する際、術後のセメントの弛み、転位を防止する目的でscrewを椎弓根からセメント塊に刺入する方法を考案した。また、隣接椎体骨折を防ぐ目的で、術後に体幹ギブス固定を行ったので、その有用性を検討した。1)平均観察期間は11.6ヵ月で、全例が術前、疼痛、麻痺のため歩行不能であった。2)セメント転位は全例認めず、椎体楔状率と坐位後彎角は有意に改善した。3)骨癒合は19例で得られ、うち8例は隣接椎体と骨性に架橋していた。4)隣接椎体骨折は2例で認めたが、圧潰は軽度であった。5)下肢麻痺の6例は全例歩行可能となり、神経根症の2例も下肢痛は改善し、再発しなかった。6)合併症として5例に隣接椎間板へのセメント漏出を認めたが、臨床上問題とはならなかった。以上、これらのことから本法は高齢者に対する有用な手術治療の一つとして、選択可能な術式と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007