高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う上肢の骨折 橈骨遠位端 高齢者の橈骨遠位端骨折に対する手術法の工夫
河野 茂
1
,
青芝 秀幸
,
茶谷 賢一
,
久保 俊一
1京都府立医科大学 大学院医学研究科運動器機能再生外科学
キーワード:
関節可動域
,
内固定法
,
骨ねじ
,
骨板
,
橈骨骨折
Keyword:
Bone Plates
,
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radius Fractures
,
Range of Motion, Articular
pp.49-52
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055144
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著者らは高齢者の橈骨遠位端骨折に対して用いられるロッキングプレートに、容易に脱着できるデバイスを作製し、condylar stabilizing法が容易に行なえる方法を考案したので紹介した。方法は、1)遠位と近位骨片の掌側面が合うように可及的に整復し、volar tiltは残した状態にしておく。そしてTiltに合わせてプレートにデバイスを装着する。これを近位骨片に押し付けることでプレートの把持は容易になり、透視下に正面像を確認するための前腕を回旋させる際も、牽引装置がなくともしっかりと固定できる。2)操作が三次元から二次元となるため、微妙にプレートを移動させることも可能である。更にプレートの至適位置が得られれば、遠位骨片にロッキングピンを刺入固定し、その後スペーサーを除去し、シャフト部に橈骨を合わせてtiltの整復と、橈尺側方向の正確な整復が行なえる。3)本法は特別な装置も必要なく、関節内骨折を含めたより幅広い症例に応用可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007