脊椎疾患における鑑別診断と治療法選択の根拠
治療法選択とその根拠 腰椎 椎間板ヘルニア 造影MRIで辺縁性造影効果を呈した腰椎椎間板ヘルニアの経過 保存的治療選択の根拠
洪 定男
1
,
佐久間 吉雄
,
井上 毅
,
安間 嗣郎
1コウ整形外科クリニック
キーワード:
MRI
,
自然寛解
,
椎間板ヘルニア
,
腰椎
,
病態生理
Keyword:
Intervertebral Disc Displacement
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Remission, Spontaneous
pp.161-165
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2007024947
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
造影MRIで辺縁性造影効果(RE)を呈した腰椎椎間板ヘルニア23例の臨床経過を1~16ヵ月間(平均5ヵ月)観察した。発症形式は全例が急性型、ヘルニアの基部は21例(91%)が椎体レベルにあった。最終観察時、ヘルニアは10例(43%)で消失、11例(48%)で縮小、1例(4%)で増大し、1例(4%)は不変であった。造影MRI所見の経時変化を調べると、消失した群の7例(70%)と縮小した群の全例で経過中に造影範囲の拡大が認められた。また、消失した群の9例(90%)と縮小した群の1例(9%)で椎間板後方にannular enhancement(AE)像が出現していた。不変例と増大例では造影範囲の拡大もAEも認められなかった。急性発症型で椎体レベルに基部があり、かつ造影MRIでREを呈すれば保存的治療選択の十分な根拠になりうると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006