脊椎疾患における鑑別診断と治療法選択の根拠
治療法選択とその根拠 頸椎 後縦靱帯骨化症(OPLL) 頸椎後縦靱帯骨化症に対する前方法と後方法の比較・検討
神崎 浩二
1
,
斉藤 元
,
小俣 貴弘
,
立野 慶
,
森下 益多朗
1昭和大学藤が丘病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
脊椎固定術
,
後縦靱帯骨化症
,
失血-外科
,
椎弓形成術
,
手術時間
Keyword:
Radiography
,
Spinal Fusion
,
Blood Loss, Surgical
,
Ossification of Posterior Longitudinal Ligament
,
Laminoplasty
,
Operative Time
pp.97-101
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2007024936
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当院で1990年以降に頸椎OPLLに対して前方法(頸椎前方浮上術)を行った25例と後方法(椎弓形成術)を行った34例の治療成績を比較検討した。JOAスコア総合点の改善率に有意差はなかったが、上肢症状スコアの改善率は前方群が有意に高かった。後方法群の中で脊柱管占拠率が50%以上の症例はJOAスコアの改善率が低い傾向にあった。手術侵襲(手術時間、出血量)は後方法群のほうが小さかった。これらの結果から頸椎OPLLの術式選択は、基本的には後方法を選択すべきであるが、上肢症状が主体の症例や脊柱管占拠率が50%を超えるような症例に対しては前方法を行うのがよいと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006