発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010187307
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72歳男。両手のしびれ、巧緻運動障害、上肢脱力感、歩行障害があり、単純X線でC3~C6の頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)を認め、C3~C4の前後屈での可動域は5°、屈曲位での局所後彎角は9°であった。C5 transverse type myelopathyの診断でC3~C7椎弓形成術を施行し症状は改善したが、術後約2年に再度両手のしびれ感、歩行障害が出現して来た。単純X線でC3~C4の前後屈の可動域は14°、屈曲位での局所後彎角は18°に増加し、CTでは矢状断像でC3~C6のOPLLを認め、特にC3~C4に山型の骨化像、C4~C6のOPLLによる骨性癒合があった。MRIではT2強調矢状断像でC3~C4前方のOPLLによる高度の脊髄圧迫病変を認めた。原因はC3~C4のOPLLによる高度の脊髄圧迫によるものと考え、脊髄モニタリング下にC3~C4前方除圧固定術を施行した。術後のCT像ではC3~C4の椎体後縁の骨化は除去され、MRIでは脊髄圧迫病変の除去と脊髄の除圧を確認し、両手のしびれ等の症状も改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010