脊椎疾患における鑑別診断と治療法選択の根拠
鑑別診断とその根拠 腰椎 腰仙椎脊柱管内嚢腫 特徴、診断、治療
深野 一郎
1
,
徳橋 泰明
,
大川 章裕
,
西村 太一
,
松崎 浩巳
1日本大学医学部附属駿河台病院 整形外科
キーワード:
クモ膜嚢胞
,
MRI
,
鑑別診断
,
脊柱管
,
仙椎
,
嚢胞
,
腰仙部
,
腰椎
,
脊髄嚢胞
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Cysts
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Lumbosacral Region
,
Sacrum
,
Spinal Canal
,
Arachnoid Cysts
pp.29-34
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2007024924
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当科で経験した腰仙椎脊柱管内嚢腫32例をレトロスペクティブに検討し、嚢腫別の特徴、診断、治療法などについて考察した。脊髄神経鞘嚢腫の臨床症状は「一定の体位やいきみで増強する疼痛」が特徴的、くも膜嚢腫では「神経症状の日内変動」、椎間関節嚢腫では「保存的治療抵抗性の下肢痛」が特徴的であった。MRI所見はどの嚢腫もT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を呈し、椎間関節嚢腫では全例で被膜にGd造影効果が認められた。治療法は、脊髄神経鞘嚢腫では8割近くの症例が保存的に治療でき、くも膜嚢腫では5割が保存的に治療可能であったが、椎間関節嚢腫は全例で手術治療を要した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006