発行日 2003年4月25日
Published Date 2003/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2003250317
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
11歳女(症例1),59歳女(症例2).症例1は骨肉腫,症例2は再発性悪性線維性組織球腫であった.腫瘍切除術を行った後,自家骨はアクリジンオレンジ(AO)を満たした容器に入れて50Gyの放射線照射を行った.又,辺縁切除縁となった主要血管神経束部位に対してAO溶液で浸漬した後に青色励起光照射により腫瘍細胞を可視化し,超音波メス等で徹底的に掻爬すると共に,光照射による死滅を図った.自家骨の再建として骨セメントを用いた人工骨頭置換術を施行し,術後直ちに深部に残存する腫瘍病巣を死滅させるため5Gyの放射線を術野全体に照射した.症例1は術後15ヵ月,症例2は10ヵ月経過し,Ennekingの患肢機能評価は各々83.3%,63.3%であった.術後合併症は症例2に橈骨神経麻痺が認められたが,骨吸収像,病的骨折,偽関節,人工骨頭の弛みなどはなかった.症例1は術前化学療法が著効しており,可動域は自動外転40°,他動外転90°,自動屈曲90°,他動屈曲140°と良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2003