発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176228
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骨・軟部腫瘍切除後の広範囲骨欠損に対する熱処理骨移植について検討した.切除した罹患骨を,パスツール法を用いて再建した22例を対象とした.術後経過観察期間は平均45ヵ月であった.局所再発は2例に生じたが,再発部位は移植骨ではなかった.骨癒合は,死亡した1例を除き,18例(85.7%)に認めた.術後合併症として感染を4例(18%)に認め,移植法別では人工関節との組み合わせ,骨・軟骨移植には認めず,補填5例中3例,節状骨移植8例中1例に認めた.移植部位については骨盤2例は全例で感染が生じ,他の2例は脛骨近位の節状骨移植,補填例でいずれも軟部組織の被覆が乏しかった例であった.移植骨の骨折は2例に認め,橈骨遠位の1例は骨癒合前の術後6ヵ月に,大腿骨の1例は術後21ヵ月に生じた.骨癒合期間は平均14.3ヵ月であり,節状および骨・軟骨移植例で複合骨移植を併用した6例中5例は1年以内に骨癒合を得た.骨・軟部腫瘍切除後の広範囲骨欠損に対する熱処理骨移植は,合併症への注意,移植法の選択,長期の経過観察が必要であるが,有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005