発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176227
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悪性骨腫瘍切除後にパスツール処理骨を用いて12例に再建を行い,その利点および合併症について考察した.再建方法は,人工関節との複合移植を大腿骨遠位部に3例,脛骨近位部に1例,中間挿入移植を上腕骨に2例,大腿骨に2例,脛骨に1例,骨関節移植を上腕骨に2例,関節固定を脛骨遠位部に1例,施行した.術後経過観察期間は平均48.9ヵ月であった.局所再発はなかったが,深部感染による移植骨の抜去を3例に施行し,移植骨の骨折を1例に認めた.手術別では,複合移植では4例中3例に深部感染を認め,全例抜去後,1例は切断,1例は腫瘍用人工関節による再置換を施行した.脛骨近位部に施行した1例は骨癒合が得られた.骨関節移植を上腕骨に行った2例では,1例は骨折を生じたため骨接合を施行し,その後感染が生じたが掻爬洗浄・抗生物質入りセメント注入で沈静化し,残りの1例は骨吸収が生じたが経過観察としている.中間挿入移植の4例および関節固定の1例は全例骨癒合が得られ,合併症は生じなかった.パスツール処理骨を用いた再建は,高頻度に骨癒合を得られる方法であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005