発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019472
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症例は77歳男性で、左上下肢の不随意運動と歩行困難を主訴に受診した。45歳時に糖尿病と診断され、経口血糖降下薬を開始し、インスリン治療を併用した。4ヵ月前に労作時呼吸困難が出現した。器質化肺炎の診断でプレドニゾロンを開始した。呼吸困難は改善したが、血糖コントロールは不良となった。3日前に突然、左上下肢の不随意運動が出現し、歩行困難となった。頭部MRIを施行し、T1強調画像で右の被殻に高信号を認め、糖尿病性舞踏病の診断基準を満たし、糖尿病性舞踏病と診断した。プレドニゾロンの投与を継続し、高血糖に対して補液、インスリン持続静注を行った。血糖は徐々に低下し、超速効型と持続型インスリンを用いた強化療法を開始した。血糖のコントロールが安定するのに伴い不随意運動は徐々に改善した。第9病日に不随意運動は完全に消失し、歩行も可能となり、第11病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015