発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003301979
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31歳女.第2子出産の3ヵ月後に左腰臀部の激痛が出現した.血液生化学検査でWBC 13300/μl,CRP 16.2mg/dlと強い炎症反応を認め,静脈血液培養で黄色ブドウ球菌が検出された.X線では左仙腸関節裂隙がやや開大し,辺縁が不鮮明であった.CTでは左腸骨筋及び左仙腸関節周囲の腫脹が認められた.MRIでは左仙腸関節周辺の腸骨及び仙骨にT1強調像で低信号の変化があり,左仙腸関節に近接した腸骨筋内にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号の病変が認められた.感受性のあったセファゾリンナトリウム3g/日を点滴静注で第3病日から11日間使用し,その後セフジニル300mg/日経口投与とした.発症後4週で炎症反応は消失したが,経口投与は10週まで継続した.腰臀部痛は8ヵ月後に消失し,2年経過して炎症の再燃はない.X線像では左仙骨関節周囲の骨硬化像が認められたが,日常生活に支障はない
©Nankodo Co., Ltd., 2003