発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011143736
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49歳男。約1ヵ月前より発熱、腰痛および左大腿~下腿外側痛を自覚し、前医でL4/L5腰部脊柱管狭窄症と診断され保存的治療治療を受けており、L5神経根ブロックで再現痛がみられ一時的に症状の改善を認めていた。症状が持続し、39℃を超える高熱が出現したため当科紹介となった。初診時、左L5領域に疼痛と知覚鈍麻を認め、左仙腸関節部にも圧痛がありPatrickテスト陽性であった。X線では左線腸関節部に骨溶解像を認め、MRIではL4/L5レベルで軽度の脊柱管狭窄症があり、左傍脊柱筋群にT2強調像で高輝度領域を認めた。また、仙腸関節前面にT2強調像で高輝度領域を認めた。造影CTを行ったところ、仙腸関節前面に辺縁が造影された腫瘍と思われる像を認めた。膿瘍を伴った化膿性仙腸関節炎と診断し、安静とイミペネム・シラスタチンナトリウム配合の抗菌薬点滴投与を開始したところ、血液データの改善、症状の消失が得られ、第15病日に退院となった。第30病日のMRIでは高輝度領域の消失を認めた。
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