発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003207327
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17歳女.コンビニエンスストアで購入した乾燥イカ菓子を食べた.下痢症状が出現したが,下痢は軽快した.起床時に,左肛門部・左臀部の疼痛・発熱を自覚,症状は急激に増悪した.肛門周囲膿瘍及び原因不明の菌血症を疑われた.臨床所見及び採血所見からは,細菌感染による菌血症が疑われたため,cefotiam hydrochlorideの点滴静注を開始した.入院初日の血液培養から,グラム陰性桿菌を検出し,菌血症と診断された.臨床症状などから,菌血症による化膿性仙腸関節炎と診断された.下痢発症約16時間前に摂取した乾燥イカ菓子によるサルモネラ食中毒と診断された.最終的にはサルモネラ感染症後の多発反応性関節炎と診断された.全身の関節炎症状は,退院4ヵ月後には完全に消失し,その後1年以上の外来経過観察で,症状の再発は認められなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2003