発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012080896
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症例1(73歳女性)。右下肢痛を主訴とした。受診時、炎症反応の亢進、静脈血培養でStaphylococcus aureusが検出された。また腰部MRI T2強調画像では右傍脊柱筋群に高信号域が認められ、骨盤部造影CTでは淡い造影効果を伴う右腸腰筋と臀筋の腫脹がみられた。以上より、本症例は腸腰筋膿瘍が考えられ、パニペネム・ベタミプロン投与を開始したが改善せず、右臀部と右傍脊柱筋群の切開、ならびに排膿術が行われた。だが、術後に造影MRIで右化膿性仙腸関節炎が波及したことが確認され、術後も抗生物質投与を継続した結果、炎症反応の低下および症状の改善が得られた。症例2(74歳女性)。発熱、右腰痛、右股関節痛を主訴に、著者らの施設へ救急搬送となった。入院時、炎症反応の亢進、静脈血培養からEnterobacter cloacaeが検出され、骨盤部MRI・造影CTより右化膿性仙腸関節炎と診断された。治療としてイミペネム・シラスタチンナトリウム・ホスホマイシンナトリウムの投与が行われ、あわせて高圧酸素療法を開始した結果、炎症反応の低下と症状の改善が認められた。
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