発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013305249
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78歳女。ふらつき、歩行困難を主訴とした。頭部CTにて脳室拡大を認め、正常圧水頭症の疑いで入院となった。低酸素血症が出現し、胸部X線で両肺にびまん性に擦りガラス影と網状影を認め、胸部CTで空洞を伴う浸潤影を左肺下葉胸膜直下に認めた。血液検査では白血球数は軽度増加、CRP、KL-6、SP-D、BNP高値であった。リザーバーマスク投与下で重度の1型呼吸不全であった。以上より、急性呼吸促迫症候群(ARDS)と診断しステロイドパルス療法を行ったが、低酸素血症は改善せず第2病日より人工呼吸器管理とした。喀痰は抗酸菌塗抹、結核菌PCR陽性で、4剤併用化学療法を行った。その後、尿と便が結核菌PCR陽性であったことから粟粒結核に伴うARDSと診断した。第14病日に中心静脈カテーテル先端よりCandida albicansを検出しカンジダ血症合併を疑い、第16病日よりMCFGを併用投与したが、全身状態は改善せず、第19病日に死亡した。
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