発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015042037
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61歳女。4ヵ月前から後頸部から両上肢痛があり、咽頭痛、発熱、咳嗽を主訴とした。CRP上昇と赤沈亢進を認めたが、偽痛風、膠原病、細菌検査は陰性で、上気道炎を併発したリウマチ性多発筋痛症(PMR)と診断した。入院後に高熱は消失したが、咳嗽と上肢痛は改善せず、炎症反応が不変のため、PMRに対してprednisolone 15mg/日を開始したが、症状と炎症反応は不変であった。巨細胞性動脈炎を疑い、右側頭動脈生検を行うも、陰性であった。造影CTにて腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈に起始部にびまん性壁肥厚を認め、血管炎の所見およびPRMの合併より巨細胞性動脈炎と診断した。prednisolone 40mg/日に増量したところ、自覚症状と炎症反応は消失し、ステロイド減量でも再燃は認めず、動脈壁の肥厚は消失した。その後も経過良好でステロイド中止後2年経過したが、再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014