発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006105434
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60歳男性.患者は労作事の胸部圧迫感で近医を受診,心電図異常と冠動脈造影で左冠状動脈主幹部病変を含む2枝病変を指摘され紹介入院となった.X線では右第1,2弓と左第4弓の突出,心胸郭比57%と心拡大を認め,心電図でII,III,aVF,V1,V2に異常Q波を認めた.心カテーテル検査では,冠状動脈造影上,#3:100%,#5:50%,#6:90%で,左室駆出率33%であった.左鎖骨下動脈(LSA)にカテーテル挿入ができず,左内胸動脈(LITA)は造影できなかったが,右内胸動脈(RITA)は良好に造影された.MD CTでは弓部の分枝順序は左総頸動脈,右総頸動脈,右鎖骨下動脈,起始異常を伴うLSA(aberrant LSA)の順で,aberrant LSAは大動脈憩室より起始し,その起始部とLITAの狭小化を認めた.以上より,心停止下にRITAを#8,大伏在静脈グラフトを#15,#4房室枝および#4後下行枝にsequentialバイパスして4枝CABGを施行した.その結果,術後は経過順調で,全グラフトの開存を確認して退院となった
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