発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015042038
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60歳男。10年前より慢性B型肝炎と指摘され、7年前よりlamivudineとadefovirを投与していた。adefovir内服開始1年後からCr上昇、2年後から血清ALP上昇、3年後に低リン血症が認められたが診断されずにいた。また、4年前には左足関節骨折、3年前には右股関節骨折と外傷歴がない骨折が認められた。今回、全身痛と体動困難を主訴に入院した。CTにて両恥骨骨折、外傷歴のない病的骨折、低リン血症、ALP高値を認めた。骨軟化症と診断し、%TRP低値、代謝性アシドーシス、低尿酸血症、腎性尿糖を認め、Fanconi症候群と診断した。adefovir内服後から腎機能障害、血清ALP上昇、低リン血症を認めたため、adefovirによるものと診断した。治療はadefovirの減量、ビタミンDおよびビスホスホネート製剤を投与した。治療経過は良好で全身痛消失し、杖歩行可能となり退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014