特集 大動脈疾患を見直す
識る 大動脈疾患の分類・原因・症状
圷 宏一
1
1川崎幸病院川崎大動脈センター 心臓血管外科・血管内科部門
キーワード:
Behcet症候群
,
後腹膜線維症
,
鑑別診断
,
巨細胞性動脈炎
,
大動脈疾患
,
大動脈瘤
,
高安動脈炎
,
動脈瘤-解離性
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aortic Diseases
,
Aneurysm, Dissecting
,
Behcet Syndrome
,
Diagnosis, Differential
,
Retroperitoneal Fibrosis
,
Giant Cell Arteritis
,
Takayasu Arteritis
pp.717-722
発行日 2017年7月9日
Published Date 2017/7/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017303047
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大動脈疾患は高齢化とともに,その数も増加しており,対応を要する場面も増加している。大動脈疾患は内科的疾患として認識されるよりむしろ,外科的疾患として取り扱われていることが多いのが現状である。確かに治療の多くは外科的なものであり,内科医のかかわる場面の多くは初期対応,鑑別の場面が多い。しかし,大動脈疾患に関する知識が不足していれば,診断を誤り,その後の治療方針が誤った方向に進むこととなる。また,大動脈疾患の緊急性の判断を誤ると「破裂」という致死的な転帰を辿ることがあり,内科医にも正しい病態把握と治療方針の決定が求められる。大動脈疾患の特徴として病名・病態が経時的に変わっていくことがあり,全体像の把握を難しくしている。また病名の定義,概念関係も混乱しやすい。図1に大動脈疾患の全体像を示した。緊急度の把握は最も重要である。一般的な緊急度は,大動脈瘤破裂>急性大動脈解離,および,感染性大動脈瘤>炎症性大動脈疾患と思われる。本稿では大動脈疾患を個別のものとして理解することよりは,各大動脈疾患同士の関連を理解することを目的として各疾患を概説する。各疾患の詳細な説明に関してはほかの総論を参照されたい。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.