発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012185412
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44歳女。28歳時に胃癌(低分化型腺癌)で胃幽門側切除を行ったが、本人には未告知で補助化学療法は施行されず、約16年後に腰痛を主訴に近医を受診したところ、MRIで多発性骨転移が疑われたため入院となった。血清ALPの高値のみを認め、骨シンチグラフィは体幹骨で広範囲に限局性異常集積の多発を認めた。仙椎骨生検はクロマチン濃縮状でN/C比の高い異型細胞と印環細胞が混在し、索状~びまん性に増生する細胞を認め、胃原発巣の病理所見に酷似し、胃癌術後の多発性胃転移と診断した。TS-1内服+放射線療法を施行し、疝痛コントロールにpamidronate disodium注点滴とloxoprofen内服を行い、CTCAE grade 3の嘔気と骨髄抑制を認めた。外来にてtegafur/uracil内服を開始し、腰痛には腰椎照射を行った。その後は疝痛緩和目的で入院を繰り返していたが、呼吸不全にdisseminated intravascular coagulationを併発し、治療を行うも全身状態改善を認めず、初回入院後460病日に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012