肝癌診療の最前線-知っておきたい診断・治療の新情報
治療の実際 外科切除
田中 真二
1
,
有井 滋樹
1東京医科歯科大学 肝胆膵・総合外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
門脈
,
アルゴリズム
,
診療ガイドライン
,
肝動脈内注入化学療法
,
経皮経肝門脈塞栓術
Keyword:
Algorithms
,
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Portal Vein
,
Practice Guidelines as Topic
pp.425-430
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012175478
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・肝癌の治療法は、癌の進行度だけではなく肝臓の障害度によっても規定されるという特異性をもつ。・肝切除は肝癌のもっとも根治的な治療法の一つであり、肝障害度が比較的良好で、腫瘍数が3個までを第一選択としている。・術式については系統的切除が望ましいが、肝予備能に応じた許容切除範囲の評価が必要である。・肝切除の適応や安全性を高めるため門脈塞栓術など前処置法があるが、補助化学療法の有用性については一定の見解が得られていない。・高度進行肝癌の中には、肝動注療法などにより切除可能となるconversion症例が存在し、治癒切除によって比較的良好な結果が得られている。・「肝切除」という切り札を使うタイミングを逃さないことが重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012