消化器癌に対するneo-adjuvant therapyの最新情報
進行原発性肝癌に対するneo-adjuvant therapy
田中 真二
1
,
有井 滋樹
1東京医科歯科大学 肝胆膵・総合外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
門脈
,
アルゴリズム
,
診療ガイドライン
,
ネオアジュバント療法
,
Sorafenib
,
経皮経肝門脈塞栓術
Keyword:
Algorithms
,
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Portal Vein
,
Practice Guidelines as Topic
,
Neoadjuvant Therapy
,
Sorafenib
pp.950-955
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012364669
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝細胞癌(肝癌)の多くは慢性肝障害を背景としており、治療法は癌の進行度だけではなく、肝障害度によっても規定されるという特異性を呈する。そのため、肝切除術、局所療法、肝動脈塞栓化学療法、肝動注化学療法、分子標的治療、肝移植などさまざまな治療法があり、選択基準となるガイドラインが設定されている。肝切除前治療としては、安全性を高めるための門脈塞栓術といった前処置や、肝動脈塞栓化学療法などによる術前補助化学療法があげられるが、その有用性については一定の見解が得られていない。高度進行肝癌に対して肝動注化学療法などを施行した結果、切除可能へとconversionし、治癒肝切除によって比較的良好な転帰が得られる症例も認める。高度進行肝癌に対する集学的治療の中で、「肝切除」という切り札を使うタイミングを逃さないことが重要である。
![](/cover/first?img=J00393.2012364669.png)
©Nankodo Co., Ltd., 2012