発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009320186
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右側腹部痛を主訴とする59歳女性について検討した。腹部単純X線写真では、上行結腸内側部に沿った、線状の石灰化陰影を認めた。腹部CT検査では、上行結腸を中心とした腸管壁の肥厚と、上行結腸の壁内・壁外の線状の石灰化を認めた。ヘリカルCTでは、上行結腸の腸間膜付着部側に沿って線状の石灰化を認めた。大腸内視鏡検査では、上行結腸中部に浮腫を伴った全周性の高度狭窄を認めた。上行結腸の生検では、粘膜固有層、粘膜下層への膠原線維の沈着を認めた。静脈硬化性腸炎と診断し、絶食、中心静脈栄養(IVH)管理とした。その結果、右側腹部痛は速やかに軽快し、内視鏡・CTとも発赤・浮腫の軽快、狭窄の改善を示した。腸管安静により腸管虚血を相対的に改善できることが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2009