発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006184141
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75歳女性.患者は食欲不振,嘔気,嘔吐を主訴に著者らの施設へ入院となった.入院時,炎症反応を認めたが,膵酵素の異常はなく,腹部造影CTで膵頭部に限局性の腫大および膵頭部と十二指腸との間を中心に肛門側に広がる低吸収域を認めた.上部消化管内視鏡では十二指腸球後部に潰瘍を認めたが,生検で悪性所見はなかった.以上より,十二指腸球後部潰瘍を伴ったgroove pancreatitisと診断し,絶食,高カロリー輸液,蛋白分解酵素阻害薬,抗生物質,プロトンポンプ阻害薬の投与を開始した.治療開始後,症状は速やかに改善し,画像上も病変は消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2006