放射線科医が診断すべき日常診療で迷う症例
(第10章)消化器 腹痛を来すことがあり特異的な画像を示す疾患
高橋 護
1
,
竹原 康雄
1聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院 放射線科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
鑑別診断
,
大腸炎
,
腸間膜血管閉塞症
,
腸閉塞
,
腸管嚢胞状気腫症
,
腹痛
,
腹部X線診断
,
小腸疾患
,
血管石灰化
,
異所性膵
,
腹部CT
Keyword:
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis
,
Intestinal Obstruction
,
Mesenteric Vascular Occlusion
,
Radiography, Abdominal
,
Pneumatosis Cystoides Intestinalis
,
Abdominal Pain
,
Vascular Calcification
pp.s198-s210
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.15105/J00235.2014127019
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
CT,MRIは今や一般的に広く普及し,あらゆる分野で診断上欠かせないものとなっている.急性腹症の患者に対しても,超音波検査と並んで(CTでは被ばくの問題はあるが),日常的に利用されるようになってきている.我々放射線科医も,急性腹症患者の画像を,取得とほぼ同時に,「保存的治療でよいのか? 開腹しなければいけないのか?」と臨床医に判断を迫られることが多くなってきている.治療方針は,臨床症状や血液データなども合わせ総合的に判断すべきであるが,CTやMRIで特異的な所見を示す疾患であれば,画像のみで診断を下すことができる.これは,手術時期を逃がしてしまうことや不要な手術を減らすことにも繋がる.今回は,腹痛を来すことがあり特異的な画像を示す疾患の中で,比較的稀ではあるが遭遇する可能性がある腸管嚢腫様気腫症,静脈硬化性大腸炎,異所性膵の3疾患を取り上げた.
Copyright © 2014, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.