造血幹細胞移植の多様性に迫る 質の高い治癒を目指したアプローチ
造血幹細胞移植の方法論 移植前処置の選択
名島 悠峰
1
,
山下 卓也
1がん・感染症センター都立駒込病院 血液内科
キーワード:
Cyclophosphamide
,
骨髄移植
,
術前管理
,
腫瘍再発
,
生存率
,
全身照射
,
白血病-急性骨髄性
,
白血病-BCR-ABL陽性慢性骨髄性
,
造血幹細胞移植
,
臍帯血移植
,
白血病リンパ腫-前駆細胞リンパ芽球性
,
骨髄非破壊的移植
Keyword:
Cyclophosphamide
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Preoperative Care
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Whole-Body Irradiation
,
Survival Rate
,
Leukemia, Myelogenous, Chronic, BCR-ABL Positive
,
Bone Marrow Transplantation
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Cord Blood Stem Cell Transplantation
,
Precursor Cell Lymphoblastic Leukemia-Lymphoma
pp.233-239
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009299248
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移植前処置の目的は、抗腫瘍効果と免疫抑制効果を得ることである。前処置を強めれば臓器障害による治療関連死亡率(TRM)が高まり、弱めれば再発率が増加する。移植前処置の選択は、患者背景や病勢、全身状態などを考慮して総合的に判断する。標準的な骨髄破壊的前処置のレジメンは、CY/TBIとBU/CYである。非血縁者間骨髄移植や臍帯血移植など拒絶が問題となるケースでは、TBIを含めた前処置がよく用いられる。近年、前処置の強度を弱めたミニ移植の開発により、高齢者や臓器障害の強い症例にも同種移植の適応が広がり、さらに前処置は多様化して選択がむずかしくなっている。本邦では大規模なデータベースの整備が進みつつあり、既存の前処置の評価をもとに、さらなる移植成績の向上が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2009