臨床経験
生着不全に対しshort-term conditioning regimenを利用した臍帯血再移植の3例
伊藤 能清
1
,
宮本 敏浩
,
上村 智彦
,
長藤 宏司
,
赤司 浩一
1九州大学病院別府病院 内科
キーワード:
Cyclophosphamide
,
再移植
,
全身照射
,
白血病-急性骨髄性
,
Fludarabine
,
臍帯血移植
,
白血病リンパ腫-前駆細胞リンパ芽球性
,
骨髄非破壊的移植
Keyword:
Cyclophosphamide
,
Replantation
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Whole-Body Irradiation
,
Cord Blood Stem Cell Transplantation
,
Precursor Cell Lymphoblastic Leukemia-Lymphoma
,
Fludarabine
pp.331-335
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014391193
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同種移植後の生着不全(GF)を認めた3例を対象に、fludarabine・cyclophosphamide・全身放射線照射2Gyによる治療強度を減弱させたshort-term conditioning regimenを利用して臍帯血再移植を行い、臨床経過を後方視的に解析した。対象の原疾患は急性骨髄性白血病2例、急性リンパ性白血病1例であった。初回移植の幹細胞源は全例が臍帯血(CB)であった。GFの形式は一次性2例、二次性1例であった。GF前の合併感染症は敗血症1例、サイトメガロウイルス抗原血症1例であった。GFの診断日は初回移植後20~35日であった。初回移植から再移植までの期間は40~48日で、再移植の幹細胞源も全例CBであった。全例で生着が得られ、再移植生着に要した期間は21~25日であった。再移植後の合併感染症は、非重篤であったが、サイトメガロウイルス抗原血症を全例、BKウイルスによる出血性膀胱炎を2例に認めた。抗生物質や抗真菌薬の投与により、再移植後に明らかな急性GVHDは認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014