造血幹細胞移植の多様性に迫る 質の高い治癒を目指したアプローチ
造血幹細胞移植における薬物療法 移植前処置における治療関連毒性とその対策
大島 久美
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科
キーワード:
Busulfan
,
Cyclophosphamide
,
Melphalan
,
悪心
,
危険因子
,
術前管理
,
心臓疾患
,
腎臓疾患
,
膀胱疾患
,
造血幹細胞移植
,
評価基準
Keyword:
Urinary Bladder Diseases
,
Busulfan
,
Cyclophosphamide
,
Heart Diseases
,
Kidney Diseases
,
Melphalan
,
Nausea
,
Risk Factors
,
Preoperative Care
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
pp.241-245
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009299249
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造血幹細胞移植に伴う移植関連毒性にはさまざまなものがあるが、そのうち移植前処置に直接起因する毒性を、前処置関連毒性(RRT)と呼ぶ。移植前処置では、一般的に化学療法より強い毒性が出る。これは、造血幹細胞のサポートがあり骨髄抑制を無視することができるため、骨髄抑制以外の通常の化学療法では認められない毒性が用量規定毒性(DLT)となるためである。移植前処置による重篤な臓器障害に対する有効な治療法はほとんどないため、移植前に各臓器の予備能を評価し、危険因子を避け、適切な前処置の選択や予防対策を行うことが重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009