分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
移植・免疫療法・遺伝子治療 分子標的療法時代の白血病移植適応
森下 剛久
1
1愛知県厚生連昭和病院 血液化学療法科
キーワード:
同種移植
,
白血病
,
白血病-急性骨髄性
,
白血病-前骨髄球性
,
白血病-BCR-ABL陽性慢性骨髄性
,
フィラデルフィア染色体
,
腫瘍-残遺
,
造血幹細胞移植
,
Imatinib
,
白血病リンパ腫-前駆細胞リンパ芽球性
Keyword:
Imatinib Mesylate
,
Leukemia
,
Philadelphia Chromosome
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Leukemia, Promyelocytic, Acute
,
Transplantation, Homologous
,
Leukemia, Myelogenous, Chronic, BCR-ABL Positive
,
Neoplasm, Residual
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Precursor Cell Lymphoblastic Leukemia-Lymphoma
pp.303-308
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003464
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白血病移植適応は、標準的化学療法の予後因子に基づいて決定されるのが一般的である。しかしそれらは、しばしば移植成績に影響する因子と共通である。各疾患の病型・病期において前方向視的な臨床試験が必要となるが、分子標的療法の急速な臨床応用や移植片・移植前治療の多様化のため、十分なエビデンスを得るにいたっていない。同種移植法の多様化は、個々の症例に最適な移植法を提供し、微小残存病変モニタリングにより移植前後の腫瘍細胞制御法が進展している。分子標的療法薬との併用を中心とした化学療法成績の向上は、特定の病型において移植成績の改善を凌駕しており、最新の知見に基づいた慎重な移植適応が求められている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007