心筋症 診断の進歩と治療のブレークスルー2009
心筋症とは何か 概念、診断基準と疫学
絹川 真太郎
1
,
筒井 裕之
1北海道大学 大学院医学研究科循環病態内科学
キーワード:
イオンチャネル
,
死亡率
,
心筋症-拡張型
,
心筋症-肥大性
,
分類
,
有病率
Keyword:
Cardiomyopathy, Dilated
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic
,
Classification
,
Ion Channels
,
Mortality
,
Prevalence
pp.414-420
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009118817
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最近の細胞工学、遺伝子工学などのバイオテクノロジーや画像診断技術の進歩は心筋症の病因の一部を明らかにし、もはや心筋症は「原因不明」な疾患群ではなくなった。わが国でも心筋症の調査・研究が継続して行われており、厚生省特定疾患特発性心筋症調査研究班「心筋症の診断の手引き」が作成された。2002年のわが国の疫学調査では、拡張型心筋症の年間死亡率は5.6%、5年生存率は75.7%であり、治療法の進歩とともに生命予後は確実に改善している。肥大型心筋症の年間死亡率は2.8%、5年生存率は86%であり、不整脈死が心不全死を上回った。
©Nankodo Co., Ltd., 2009