発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346171
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48歳男。心窩部痛・食欲不振が生じ上部消化管内視鏡検査したが有意所見はなかった。症状が遷延し8ヵ月で15kg体重減少したため入院した。筋性防御や反跳痛は認めず、肝・脾は触知しなかった。軽度貧血CRP上昇を認め腫瘍マーカーはCEA、CA19-9も正常範囲、インターロイキン-2レセプター(IL-2R)は軽度上昇を認めた。腹部CTで小腸壁肥厚を認め、小腸造影で空腸2ヶ所の腫瘍性狭窄病変を認め、病変より口側には明らかな腸管拡張像は認めなかった。所見より悪性リンパ腫や原発性小腸癌が疑われたが腫瘍マーカー及びIL-2R上昇が乏しく、良悪性鑑別のためFDG-PETを施行した。小腸造影の狭窄部位に一致して2ヶ所のホットスポットを認め、小腸原発の悪性腫瘍による狭窄が原因と考え、診断的治療として外科的切除の適応と判断した。細胞診を行い原発性小腸未分化癌と診断しTS-1を術後投与した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007