発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016291566
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63歳男。潰瘍性大腸炎で近医に通院中、腹痛と心窩部痛が出現し、上部消化管内視鏡検査で胃穹窿部にI型の腫瘍を認められた。生検の病理診断は低分化腺癌で、精査加療目的に当院へ紹介となった。腹部造影CTで胃噴門部前壁寄りに限局性の壁肥厚を認めたほか、下腹部正中右側寄りに小腸の限局性壁肥厚を認めた。ガリウムシンチグラムで胃と小腸に集積像を認め、胃癌および小腸腫瘍の臨床診断で手術を行った。手術所見は、胃穹窿部に5cm大の腫瘤、十二指腸空腸曲から70cm肛門側のところに約11cm大の腫瘤を認め、胃全摘+D2郭清+小腸部分切除術を施行した。摘出標本の病理組織検査では多数の標本を作製して分化傾向がないことを確認し、さらに多数のマーカーで免疫組織化学染色を行い、未分化癌と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016