発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346170
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32歳男。就寝中に軽度胸部絞扼感を時々自覚していたが発現頻度が増加した。症状から異型狭心症が疑われ院した。意識清明、頸動脈怒張なし、甲状腺腫大なく、腫瘤触知せず、眼瞼結膜貧血・黄疸はなかった。呼吸音異常なく、心音整・雑音なく腹部所見は異常なかった。血液生化学検査異常なく、胸部X線特記すべき所見なし、心電図正常洞調律、心臓超音波壁運動異常なしであった。冠動脈造影で右Valsalva洞の冠動脈口が欠損し、左Valsalva洞から左冠動脈1本のみが起始していた。左冠動脈は前下行枝と回旋枝に分岐し、回旋枝の末梢部から右室下部に分布する右冠動脈遠位部が延び、一方回旋枝近位部からは右房及び右室上部に分布する右冠動脈近位部が分岐していた。心電図同期心臓CTでも確認し、冠動脈に有意狭窄病変なく、異型狭心症と考え、アムロピジン内服処方し胸部症状は減少した。
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