発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011084262
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2005年4月~2009年3月に手術した乳癌371例中乳腺浸潤性微小乳頭癌(IMP)と診断された9例(全例女、年齢47~82歳)を対象に検討した。臨床病期はStageIが2例、IIAが4例、IIBが2例、IIIBが1例で、施行術式は胸筋温存乳房切除術+腋窩リンパ節郭清術6例、乳房温存部分切除術+腋窩リンパ節郭清3例であった。病理学的最大腫瘍径は1.1~5.0(平均2.4)cm、組織学的に全例浸潤性乳管癌で、腫瘍内のIMP占有率は50%以上が7例、50%未満が2例でIMP占有率と転移巣のIMP像発現率に相関傾向を認め、リンパ節転移は6例で4例はリンパ節転移にもIMP構造を認め、リンパ管侵襲は9例に認めた。免疫組織学的検査ではER陽性7例、PgR陽性5例でHER2蛋白の過剰発現は3例に認めた。術後補助療法は化学療法5例、内分泌療法4例で、全例が無再発生存中(平均観察期間22.2ヵ月)だが、悪性度が示唆されており注意深い経過観察が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010