虚血性心疾患の最近の話題 虚血を見逃さない臨床から分子生物学まで
冠動脈インターベンションの課題と展望 薬剤溶出性ステント植込み後の抗血小板療法はいつまで続けるか
門田 一繁
1
1倉敷中央病院 循環器内科
キーワード:
Aspirin
,
冠動脈疾患
,
冠状動脈血栓症
,
多剤併用療法
,
投薬計画
,
血小板凝集阻害剤
,
Paclitaxel
,
診療ガイドライン
,
リスク評価
,
Sirolimus
,
アメリカ
,
薬剤溶出性ステント
,
Thienopyridines
,
経皮的冠状動脈インターベンション
,
休薬
Keyword:
Aspirin
,
Coronary Disease
,
Coronary Thrombosis
,
Drug Administration Schedule
,
Drug Therapy, Combination
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
United States
,
Practice Guidelines as Topic
,
Paclitaxel
,
Risk Assessment
,
Sirolimus
,
Drug-Eluting Stents
,
Thienopyridines
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.449-453
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010305912
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薬剤溶出性ステントでは内膜の修復遅延のために、ベアメタルステントより、長期にわたる抗血小板療法が必要である。ACC/AHA/SCAIの2007年のガイドラインでは薬剤溶出性ステント留置後の抗血小板療法の投与期間は出血のリスクがなければ、Cypherステント、TAXUSステント、ともに1年間が推奨されている。薬剤溶出性ステントでは、1年以後の超遅発性のステント血栓症が絶対値は非常に低いものの、数年持続して発症する。新しい世代の薬剤溶出性ステントとして、Endeavorステント、Xience V/Promusステントが現在使用可能となっているが、ステント血栓症の頻度が従来の薬剤溶出性ステントよりも低い可能性があり、また抗血小板療法の期間についても、異なる可能性がある。抗血小板薬の中止はステント血栓症の強い予測因子であるが、とくに6ヵ月以内の中止では、ステント血栓症のリスクが高くなる。aspirinとチエノピリジン系薬剤との2剤による抗血小板療法を1年以上継続することの利点が最近の無作為比較試験で確認されなかったが、最終的な結論を得るためには、さらなる多数例での検討が必要と思われる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010