内科医のためのパーキンソン病診療
パーキンソン病の治療戦略 L-dopaは5年で効かなくなるのか?
大熊 泰之
1
1順天堂大学医学部附属静岡病院 脳神経内科
キーワード:
Levodopa
,
ジスキネジア-薬物誘発性
,
SPECT
,
Parkinson病
,
臨床試験
,
Iometopane 123I
,
長期投与
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Dyskinesia, Drug-Induced
,
Levodopa
,
Parkinson Disease
,
Tomography, Emission-Computed, Single-Photon
,
2beta-carbomethoxy-3beta-(4-iodophenyl)tropane
pp.803-807
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007169027
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L-dopa(levodopa)の投与はパーキンソン病治療のgold standardであり、長期投与効果のエビデンスもある。ELLDOPAスタディの結果、L-dopaは用量依存的に抗パーキンソン効果を示し、2週間の休薬後も持続していた。逆に、SPECTを用いたβ-CIT取り込み機能試験では、プラセボ群よりL-dopa群で減少がみられた。ELLDOPAスタディの相反する結果からは、L-dopaがパーキンソン病の進行を促進するという確かな証拠は示されていない。したがって、必要なときに適切な量のL-dopaを使用することが重要で、L-dopa恐怖症に陥らぬようにすべきである。ただし、早期からの大量投与は控える。
©Nankodo Co., Ltd., 2007