内科医のためのパーキンソン病診療
パーキンソン病の治療戦略 ドパミンアゴニストと心臓弁膜症
山本 光利
1
,
上杉 忠久
1香川県立中央病院 神経内科
キーワード:
Bromocriptine
,
Pergolide
,
心臓弁膜症
,
Parkinson病
,
Dopamine Agonists
,
Cabergoline
,
Pramipexole
,
Ropinirole
,
Serotonin 5-HT2B Receptor
Keyword:
Bromocriptine
,
Heart Valve Diseases
,
Parkinson Disease
,
Pergolide
,
Dopamine Agonists
,
Receptor, Serotonin, 5-HT2B
,
Cabergoline
,
Ropinirole
,
Pramipexole
pp.808-812
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007169028
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麦角系ドパミン(DA)アゴニストは、各臓器で線維症をまれに起こす。2002年以来、麦角系DAアゴニストによる心臓弁膜症の報告がある。麦角系DAアゴニストによる心臓弁膜症発現の機序は、セロトニン(5-HT)2B受容体を介して生じると考えられている。非麦角系DAアゴニストであるropiniroleは弱い5-HT2B受容体親和性があり線維症の報告があるので、心臓弁膜症が麦角系だけに生じるか否かは不明である。欧米でのpergolide,cabergolineの高用量使用時では、心エコー上での弁逆流頻度が有意に高いが、無症候性のことが多い。わが国での麦角系DAアゴニストにおける心臓弁膜症の実態はまだ十分に調査されておらず、心臓弁膜症の報告はcabergolineの1例だけであるが、症状の有無の聴取、定期的な聴診が望まれる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007