内科医のためのパーキンソン病診療
パーキンソン症候群の鑑別診断とその治療 脳血管性パーキンソン症候群
高橋 一司
1
1慶応義塾大学 神経内科
キーワード:
Levodopa
,
MRI
,
心筋
,
鑑別診断
,
SPECT
,
脳血管障害
,
Parkinson病
,
放射性核種イメージング
,
Iobenguane
,
パーキンソニズム
,
陽電子放射型断層撮影
,
Iometopane 123I
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Cerebrovascular Disorders
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Levodopa
,
Myocardium
,
Parkinson Disease
,
Radionuclide Imaging
,
Tomography, Emission-Computed, Single-Photon
,
3-Iodobenzylguanidine
,
Parkinsonian Disorders
,
Positron-Emission Tomography
,
2beta-carbomethoxy-3beta-(4-iodophenyl)tropane
pp.856-861
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007169040
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
脳血管性パーキンソン症候群(VP)は、(1)基底核領域を中心とした多発性ラクナ梗塞、あるいは(2)皮質下白質の広範な虚血性病変で生じる、歩行障害を主体とした症候性パーキンソニズムと考えられる。小刻みの開脚歩行、すくみ現象など下半身の症状が病初期から中心となり、直立姿勢や症状の左右差が不明瞭など、特発性パーキンソン病(IPD)とは異なる特徴が認められる。検査:頭部MRIでは、(1)、(2)のいずれかの病変が認められるが、MRI上の虚血性変化のみで短絡的にVPと診断してはならない。IPDで認められる心筋MIBGシンチグラフィーや嗅覚検査の異常はみられない。治療:L-dopaなど抗パーキンソン病薬に対する反応性は不良のことが多い。約80%の患者で脳血管障害に関する危険因子がみられ、そのリスク管理と抗血小板療法の開始を考慮するが、進行抑制に関するエビデンスはない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007