変わりゆくパーキンソン病診療 早期診断から進行期患者の治療まで
パーキンソン病を治療する パーキンソン病進行期患者の治療
田代 淳
1
,
菊地 誠志
1国立病院機構北海道医療センター
キーワード:
Amantadine
,
Levodopa
,
ジスキネジア-薬物誘発性
,
神経症状
,
Parkinson病
,
薬物動態学
,
精神症状
,
脳深部刺激
,
ドーパミン作動性ニューロン
,
Wearing-off現象
Keyword:
Amantadine
,
Dyskinesia, Drug-Induced
,
Levodopa
,
Pharmacokinetics
,
Neurologic Manifestations
,
Parkinson Disease
,
Deep Brain Stimulation
,
Dopaminergic Neurons
pp.826-832
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011189957
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●パーキンソン病進行期とは、levodopa製剤による治療を必要としている状態で、何らかの治療上の問題点を生じている状態と定義される。●進行期の問題点としては、症状変動や不随意運動などの運動合併症、精神症状や自律神経症状を含む非運動症状がある。●症状変動には、薬効が短縮するwearing-off現象、内服に関係なく変動するon-off現象のほか、delayed-on現象やno-on現象などがある。●不随意運動では、舞踏運動様のpeak-doseジスキネジアがもっとも多く、diphasicジスキネジア、offジストニアなどがある。●運動合併症対策の第一は予防であり、パルス状のドパミン濃度の変動を避け、線条体ドパミン濃度を持続的に一定に保つようにすることが目標となる。●運動合併症の治療にあたっては、内服と症状出現の関係を正確に把握して、運動合併症のタイプを正しく同定することが必要不可欠である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011