診療controversy medical decision makingのために 非高齢パーキンソン病におけるドーパ剤の導入時期
早期より導入
横地 正之
1
1荏原病院 神経内科
キーワード:
Levodopa
,
ジスキネジア-薬物誘発性
,
多剤併用療法
,
投薬計画
,
Parkinson病
,
薬物動態学
,
薬物用量反応関係
,
臨床試験
,
Dopamine Agonists
,
診療ガイドライン
,
治療成績
,
オーダーメイド医療
,
Wearing-off現象
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Dose-Response Relationship, Drug
,
Drug Administration Schedule
,
Drug Therapy, Combination
,
Dyskinesia, Drug-Induced
,
Levodopa
,
Pharmacokinetics
,
Parkinson Disease
,
Treatment Outcome
,
Practice Guidelines as Topic
,
Dopamine Agonists
,
Precision Medicine
pp.700-707
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011160971
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パーキンソン病(PD)に対する治療の中核は、脳内ドパミン(DA)欠乏を補充して、本来の大脳基底核機能の修復を図ることを目的とする。DA前駆物質であるL-ドーパと代替物質であるDAアゴニストがその役目を狙っている。いずれを初期導入剤とし、主役として活用するかについて議論が続いている。L-ドーパ治療が導入されて40年余り、最初のDAアゴニストが導入されて30年弱が経過した。この間の経験を踏まえて10年前に第一次の治療ガイドラインが策定された。その後も見直し、検討の議論が続けられているが、近年ではL-ドーパがPD治療のgold standardであることが統一された見解となりつつある。それぞれの長所・短所を十分認識したうえで、対象患者の病期に合わせた、病状に合わせた、年齢に合わせた、社会的ニーズに合わせた適正治療が必要である。オプションを含めた抗PD治療はまれにみる多剤併用治療であり、用量も含めた組み合わせは無限である。まさに各患者に合わせた、テーラーメイドのきめ細かい対処が重要である。かようなPDの薬剤治療の中で、さまざまな観点からみて主役はL-ドーパであることを認識すべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2011