発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002279282
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71歳男.全身倦怠感,咳嗽を主訴とした.2年前に特発性間質性肺炎と診断されたが,経過観察のみされていた.低Na血症と画像所見等から肺癌が強く疑われた.本例の低Na血症は,血漿浸透圧が低値にも関わらず,尿浸透圧は高値を示し,尿中Na排泄も増加していた.抗利尿ホルモン(ADH)は正常範囲であったが,低浸透圧状態から相対的に上昇していると考えられ,他のホルモンに異常値を認めず,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群と診断した.肺生検を予定していたが,呼吸不全により死亡した.剖検より低分化腺癌,ADH陽性と判定された.ADH産生肺癌は小細胞癌に多く,腺癌は稀である
©Nankodo Co., Ltd., 2002