発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010250137
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は慢性C型肝炎・狭心症の既往がある77歳女性で、皮疹・咳・全身倦怠感を主訴に近医を受診、膠原病を疑われ紹介来院となり間質性肺炎が増悪し入院となった。入院時、胸部CTにて右上葉S1に約3cm大の不整形浸潤影が存在し両下葉背側には辺縁優位な膿度上昇を認め、その後の皮膚生検から皮膚筋炎と診断された。無筋病性皮膚筋炎を疑われ、プレドニゾロン(PSL)30mg/日を開始、右肺上葉内病変は気管支鏡下生検にて腺癌と診断された。PSLの減量後、可及的低侵襲となるよう肺部分切除術を施行、切除標本の病理組織学的所見から非特異的間質性肺炎との混合型腺癌の合併が確認された。術翌日からPSL投与を再開、術後13日目より咳と微熱が出現しX線像にて胸部陰影の悪化が確認され、PSL増量とsultiame合剤の内服、ステロイドパルス療法、sivelestat sodium投与などを試みたが急速に呼吸状態が悪化、術後30日に死亡した。剖検所見からび漫性肺胞損傷パターンの肺障害が確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010