発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005120228
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肺癌手術施行の673例を,特発性間質性肺炎(IIP)を合併したIIP(+)群44例と非合併のIIP(-)群629例に分けretrospectiveに検討した.IIP(+)群の術式は,肺葉切除32例,二葉切除2例,部分切除7例,区域切除3例であった.IIP(+)群は男性が多く,縦隔リンパ節郭清数が有意に多く,組織型では扁平上皮癌が,腫瘍局在では下葉発生が,病理病期ではIII期以上が有意に多かった.また,IIP(+)群は血清マーカーのSP-DおよびKL-6が有意に高く,術前肺機能のDLco,%DLcoが有意に低かった.IIP(+)群で在院中に急性増悪した例が5例あり,全例が在院死した.急性増悪群と非増悪群の比較では,増悪群は大半が腺癌で,術前DLco,%DLcoともに有意に低かった.下葉切除を施行し,術後増悪のないIIP(+)群とIIP(-)の術後肺機能を比較したところ,IIP(+)群で著明な低下がみられた.縮小手術は10例に施行され,区域切除の3例では局所再発はなく,部分切除の7例中2例で局所再発がみられた.病理病期I期での5年生存率はIIP(+)群で低い傾向があったが,有意差はなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005